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ホテルの経費削減方法を、具体的なアイディアと共に解説します~経費の内訳を確認してコストを減らしましょう

業績アップ方法

ホテルや旅館の経営においては、利益の出やすい筋肉質な施設とするためにも、経費の削減・節約は欠かせません。

顧客満足度を大きく落とすコスト削減は避けるべきですが、支出を定期的に見直し、無駄な経費を節減することは重要です。

今回は、ホテルの経費削減方法について、具体的な事例やアイディアを交えて解説します。

経費削減が重要な理由

そもそも経費削減がホテルにとって重要な大きな理由は、宿泊業の利益率の低さです。

日本旅館協会の「営業状況統計調査」(令和元年年)によると、宿泊業の平均的な営業利益率は3.3%です。

不動産業全体の営業利益率は概ね5%前後であることを考えると、宿泊業は営業利益率が比較的低いビジネスといえます。

また、ランニングコストにおいて人件費等の固定費の割合が大きいため、損益分岐点売上高が高くなり、売上減少に耐える余力が少なくなりやすいです。

利益率が低く、固定費割合が大きいビジネスである宿泊業は、経費削減がとても重要になるのです。

経費の内訳やコスト構造を把握し、対策の優先度を決める

経費削減を行うためには、ホテルで使っている経費の内訳を把握することが第一歩です。

以下のグラフは、日本旅館協会の「営業状況統計調査」(令和元年)より作成した、平均的なホテル業における支出の科目別内訳です。

これを見ると、人件費、業務費(消耗品・光熱費等)、管理費(家賃・リース料等)の順に、支出に占める割合が多いことが分かります。

ホテル費用内訳
日本旅館協会「営業状況統計調査」より(令和元年)

支出に占める割合が大きい科目から優先的に対策を打つことで、効率的な経費削減ができます。

個々のホテルによって支出割合が大きい科目は異なりますが、何にいくら費用がかかっているのか、どの経費科目を優先的に対策すべきなのか、全体像を把握することからスタートしましょう。

人件費を削減する

人件費は、多くのホテルにとって最も大きい費用であり、売上の大小に関わらず必要な固定費です。

費用が大きいからといっても簡単に解雇することはできませんし、給料を減らしてしまえば社員の士気は大きく下がるので、これらの方法はコロナ禍まっただ中の様な時期の最終手段です。

顧客満足度を落とさずに、可能な限り少ない人数と時間でサービスを提供するのがポイントです。

(人件費の削減については、「ホテルの人件費削減方法を解説します~業務見直し・システム導入でより効率的なホテル運営を」にも詳しく書いています)

自動精算機でチェックイン・アウト業務を効率化する

今の時代、多くの人を雇ってフロントに何人ものスタッフを常駐させるのは不要です。

自動精算機を導入し、スタッフによるチェックイン・アウトの業務を無くすことで、人手を減らすことが可能です。

特に、ゲストが朝の同じ時間帯に集中することでスタッフとゲスト双方の時間を浪費してしまうチェックアウトを省力化することで、人件費の削減と顧客満足度アップの両立ができます。

例を挙げると、ビジネスホテルチェーンの「スーパーホテル」は、日本のビジネスホテル業界でもいち早く自動清算機を取り入れ、フロント業務の効率化を行ってきました。

スーパーホテルでは、自動精算機による「ノーキー・ノーチェックアウト」方式を採用しています。

まず、ゲストはフロントで前金払いにてチェックインをすると、部屋の番号と部屋の鍵の暗証番号が印刷されたシートを受け取ります。

その暗証番号を客室のドアに設置された機械に打ち込むことで、解錠される仕組みです。

この仕組みにより、ゲストは鍵を持たずに部屋に出入りできるため、チェックアウト時に鍵を返す必要がありません。

また、前金清算をしているため、チェックアウト時にお金のやり取りをしなくても良いのです。

自動精算機の活用により、鍵の返却、料金精算といった業務が無くなり、顧客満足度を落とさずに、少ない人数でもホテルを運営することが可能になっています。

もちろん、人の手によるチェックイン・アウトを好むゲストもいるとは思いますが、スーパーホテルは「100人に1人しか望まないサービスは切り捨てる」という方針のもと、効率化を徹底しているのです。

コロナ禍による対面サービスの減少や、若いビジネスマン世代に増えている、人の手によるサービスよりも効率性を重視する考え方も相まって、今後は自動精算機等によるフロント業務の効率化は進んでいくと考えられます。

ゲストの問い合わせ対応をチャットボットで効率化する

ホテルにとって多くの時間がかかる業務のひとつが、ゲストの問い合わせ対応です。

繁忙期には、外線・内線共になりっぱなしで、対応に追われた経験がある方も多いのではないでしょうか。

電話が頻繁にかかってくると、電話の対応に時間がかかるだけではなく、進行中の業務が中断してしまう等、業務効率化の妨げになります。

また、電話先で待たされるゲストもイライラが募り、ホテルのサービスへの満足度が下がってしまうでしょう。

チャットボットは、365日・24時間・休まず即時の対応ができるうえ、英語や中国語によるインバウンドのゲストからの問い合わせにも答えられます。

レストランの営業時間、チェックアウトの時間、駐車場の有無等、定型で答えられる内容については、チャットボットが対応できる様にすることで、より少ない人員でゲスト対応が可能になります。

人件費の削減はもちろんのこと、問い合わせに対するレスポンスが早まることによる顧客満足度のアップも期待できるでしょう。

ホテル日航ハウステンボス等の大手のチェーンホテルから、由布院別邸樹等の老舗の旅館まで、チャットボットを導入する施設は近年増加しています。

「子供用の食事はありますか?」「駐車場は使えますか?」等、ホテルに直接の問い合わせが入りがちな質問も瞬時で答えてくれるので、待たされる事もある電話よりストレスフリーです。

老若男女問わずメッセージアプリを使うことが多くなった現代では、昔に比べると受け入れられやすくもなっているでしょう。

人件費削減の対策に、是非とも一度導入を検討してみましょう。

導入者数10,000社以上、チャットボット大手のチャットプラスであれば、ゲストのテキスト入力による質問に対し、AIが意味を解読して適切な答えを返してくれます。

チャットプラスを導入した会社によっては、お客様の問い合わせにかかるコストが80%削減されたケースもあるとのこと(同社ホームページより)。

10日間の無料トライアルも可能とのことなので、まずは資料請求してみてはいかがでしょうか。

チャットプラスの評判・使ってみた感想・料金・導入事例を紹介します」も併せてご覧下さい。

清掃費を削減する

ひとつの予約につき必ず発生する清掃費も、人件費削減における重要なポイントです。

清掃費の削減については、以下の様な対策があります。

清掃の内製化

今まで外注していた清掃を、自社のスタッフに行ってもらうことで、外注にかかるコストを抑えます
スタッフの教育や新規採用等、最初はコストがかかりますが、長期的には経費の削減が可能です。

外注先の見直し

清掃の内製化が難しい場合は、相見積もりを取る等によりより低コストの清掃業者に切り替えるのもひとつの手です。

今までの付き合いでなんとなく同じ業者に頼んでいた・・・というケースはよくありがちです。

以下リンクの清掃業者比較サイト、EMEAO!(エミーオ)では8社の清掃業者から一括見積もりが可能です。
まずは客室清掃の相場を確認してみましょう。
8社から一括お見積り【清掃会社】

最低保証稼働率の見直し

多くのホテルにおいては、清掃業者との間で最低保証稼働率を契約しています。
最低保証稼働率の契約とは、「稼働率が50%いかなくても、稼働率50%分の清掃料金は清掃業者に払いますよ」という契約です。

ホテルの稼働率が常に最低保証稼働率を上回っていれば問題ありませんが、下回っているときは余分な清掃料金を払っていることになります。

この最低保証稼働率引き下げられないか交渉する、もしくは最低保証稼働率を引き上げる代わりに、一室当たりの清掃料金を引き下げられないか交渉してみましょう。

ミニバーの廃止

ビジネスホテルではあまり見受けられませんが、シティホテル等では冷蔵庫を使ったミニバー(飲み物を常備しチェックアウト時に清算)を設置している施設も多いです。

これらを廃止することで、冷蔵庫清掃の手間を省けますし、チェックアウトにかかる時間も減らすことができます。

清掃無し連泊プランの導入

連泊時の清掃を無くし客室料金を割引することで、清掃費を削減するプランを新たに販売します。

削減した清掃費>割引金額に設定することで、利益をより多く残すことができます。

ドーミーイン等のチェーンビジネスホテルでは以前から取り入れられており、アパホテルにおいては3泊以下の宿泊については原則として清掃無しです。

水道光熱費を削減する

毎日非常に多くの電気・水・ガスを使うホテルにおいては、水道光熱費の削減も大きなポイントです(水道光熱費の目安は売上の5%~8%です)。

水道光熱費については節約できる仕組みを一度作ってしまえば、ランニングコストを低くキープできるので、小さな改善を積み上げていきましょう。

電気代を削減する

空調、照明、給湯などホテルは多大な電力を毎日使用しています。

日本旅館協会の「営業状況統計調査」(令和元年年)によると、光熱費等を含む「業務費」はホテル運営における費用の約16%を占めており、電気代はホテルの主な費用のひとつです。

今後インフレが進めば、エネルギー価格の高騰に伴う電気代の値上がりも想定されるため、電気代を低く抑えられる体制を今から作っておきたいところです。

電気代削減の方法は、「ホテルの電気代を節約!節電方法を解説します」にも詳しく記載しています。

電気代の削減は以下の様な対策があります。

電力会社を切り替える

電力会社を切り替えるだけで、今まで使っていた電気料金が安くなる可能性があります。

2016年の電力小売り自由化以降、「新電力」と呼ばれる電力小売会社が次々と現れ、市場原理によって電気料金値下げ競争が進みました。

法人用の高圧電気についても、安い料金で提供する事業者が続々と現れています。

以下リンクの「【電気チョイス】 」では、法人向け高圧電力の一括見積もりを行っており、電力会社各社の見積もりを一括で取得できます。

ホテルによっては年間11万円の電気代をカットできた(削減率9.7%)ケースもある様です(同サイトより)。

電気料金プランを比較して電気代を今よりお安く!【電気チョイス】

空調を効率的に行う

空調は、電力消費量割合が大きい用途のひとつです。
空調を無駄なく効率的に行うためには以下の様な方法があります。

  • ロビーではカーテンやブラインドにより日射を調整し、冷暖房への過度な負荷を避ける
  • 閑散期には使用する客室を特定のフロアに集約し、未使用フロアの空調を制限する
  • 夏や冬以外の季節は、客室の空調が効きっぱなしにならない仕様にする
  • 従業員用の空調は、設定温度の管理を厳密に行う

照明を効率的に使う

照明についても、効率化が図れるポイントです。
照明を効率的に行うためには、以下の様な方法があります。

  • 閑散期には使用する客室を特定のフロアに集約し、未使用フロアの空調を制限する
  • シャンデリア等の演出照明は、来客時のみ点灯させる
  • 客室清掃時は照明OFFとする(窓の無い部屋を除く)
  • 白熱電球や蛍光灯をLED照明に切り替える

LED照明への切り替えは、初期投資は必要ですが一度実施してしまえば継続的に電気代を抑えることができます。

最新のLED照明は、白熱電球に比べ消費電力を最大90%削減できることもあるうえ、使用時間は最大40倍長持ちするという、節電性能の高い照明です。

LED照明の業者探しは【簡単・無料・厳選優良業者】のEMEAO!のサイトでは、最大8社のLED業者から一括見積もりを取ることができます。

忙しいホテル業務の合間を縫って、業者探しをする手間が省けるので、一度見積もりを取ってみましょう。

水道料金を削減する

水道料金は、電気代に比べ削減方法が限られていますが、対策は可能です。

  • シャワーヘッドを節水型に変える
    アパホテルやスーパーホテル等、多くのビジネスチェーンホテルでは取り入れられています。

  • バスタブに満水ラインをひく
    「ここで満水ですよ」というラインを明示することで、ゲストに余分な水を使われない様にします。

  • 大浴場のある施設は、バスタブを無くす
    大浴場がある場合は、湯につかりたいゲストは大浴場に来てもらった方が、水を有効に使えます。電気代やガス代の節約にもなります。

ここでは主にゲスト向けの節水対策を紹介しましたが、従業員の節水も重要なので、バックヤードでの水の使い過ぎには注意しましょう。

アメニティ・消耗品費を削減する

客室で使うアメニティ、調理器具、食器等が消耗品費に該当します。
消耗品の種類は多岐に渡るため、どの消耗品に大きなコストがかかっているかを精緻に把握したい場合は、勘定項目を分けた方が良いでしょう。

消耗品費を削減するためには、以下の様な方法があります。

  • アメニティ無しプランを販売する
    アメニティは料金に含まず、原則無しとしたうえで利用希望者にはアメニティをバラ売りするプランです。もちろん、アメニティを無くした分、料金は下げます。リッチモンドホテルグループ等で採用されています。

  • アメニティをゲストがフロントで選ぶ方式にする
    アメニティを部屋に備え付けるのではなく、フロントに置いてある中からゲストが選ぶ方式にすることで、ゲストが利用するアメニティだけが消費されます。

  • 事務処理のペーパーレス化
    事務処理について、不要な紙を無くすことでインクやプリント用紙等の印刷に必要なコストを削減しましょう。

家賃・リース代を削減する

家賃やリース代も、固定費として大きな金額となっています。
もしも建物や土地を長期にわたって借りており、次の更新が近づいている場合は、オーナーに対して家賃交渉をするのもアリです。

また、リースしているオフィス機器があれば、見積もりを取り直して新たなリース会社と提携することで、リース代を削減できるかもしれません。

複合機 一括.jp等のサイトでは、複合機を一括見積もりし、最もコストパフォーマンスが高い会社を選ぶことができます。
見積もりを取って検討してみましょう。

販売手数料・広告費を削減する

販売手数料や広告費も、知らない間に余分なコストを使ってしまいがちな項目です。
以下のポイントに気を付けて、見直しをしていきましょう。

OTA各社のオプション商品を見直す

多くのホテルや旅館において、集客の柱となっているOTAですが、基本掲載+オプション商品の組み合わせで料金を支払っているケースが多いです。

楽天トラベルでクーポンやメルマガ、じゃらんではリスティング、一休ではポイント、Booking.comではプリファード、Agodaでは…等々、色々やっているうちにどのOTAでどんなオプションを使っているか分からなくなっているケースも多いのではないでしょうか。

OTAの担当者に言われるがままにオプションを積み重ねた結果、コストの高いオプションを使っていることもあるので、どんなオプションを使っているか洗い出しましょう。

そして、どうしても外せないオプション以外は一旦ストップし、予約数やページビューの推移をチェックしましょう。

オプションをストップしても予約数が下がらなければ、純粋なコスト削減になります。

もしも予約数やページビューが減ってしまった場合は、担当者と相談しながら本当に必要なオプションだけに取り組みましょう。

1予約につき数%、数百円の余分なコストも、積み重ねれば膨大な額になります。集客の主流がネットによる個人旅行になっている今のご時世こそ、OTAのコストには敏感になりましょう。

雑誌広告を見直す

るるぶ、じゃらん等の昔からある雑誌広告については、一度見直すべきでしょう。

スマホで情報を探すのが当たり前になっている昨今では、雑誌広告の効果はほぼ全ての業界で下がっています。

職業や年齢層を細かく絞ったニッチな媒体で、特定のターゲットをピンポイントに狙うのは雑誌広告の使い方としてはアリですが、マス向けの旅行雑誌の費用対効果はかなり厳しいことが推測されます。

大手チェーンや予算が潤沢にあるホテル、開業したばかりのホテルを除き、雑誌広告はひとまずストップしておいた方が賢明です。

定期的な見直しを社内の文化にする

さて、これまで具体的な経費削減方法をお伝えしてきましたが、大切なのは無駄なコストを使わない仕組みや、社内の文化を保つことです。

製造業ではありますが、日本随一のホワイト企業として有名な「未来工業」では、それがどんな些細な経費削減アイディアであっても、アイディアを発案した社員には賞金を出す、「常に考える」という標語を社内に貼る等、無駄な経費を使わない文化を根付かせているそうです。

あなたの会社でも、経費の定期的な見直しを社内文化とし、利益が残りやすいホテル運営を行っていきましょう。

経費の削減方法は、以下の記事にも詳しく記載しています。

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経費ではなく売上や集客も伸ばしたい方は以下の記事もご覧ください。
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