Youtubeを中心に動画サイトを世界中の人々が手軽に見られる様になったことで、動画を使ったプロモーションがこの数年間で世界中に広がりました。
ホテル業界においても、「ホテルのマーケティング戦略に欠かせない「コンテンツマーケティング」とは?国内・海外の事例と併せて解説します」の記事でも紹介したホテルモントレ沖縄 スパ&リゾートの様に、魅力的な動画を作成することでホテルの認知・集客を拡大しているホテルもあります。
今回は、ホテルの動画制作を成功させる方法を、具体的な事例やおすすめの広告代理店を交えて解説します。
目次
ホテルの動画を制作するメリット
ホテル動画の製作には、他のプロモーションや広告にはないメリット・特徴があります。
動画広告の市場は拡大している
ホテル動画を制作するメリットのひとつは、動画広告市場が拡大していることです。
以下のグラフは、電通グループの4社(CCI / D2C / 電通 / 電通デジタル)の調査より作成した、2019年~2020年の動画広告市場規模の推移です。

2020年はコロナ禍の真っただ中でしたが、動画広告への広告媒体費は2019年比で+21%増加しており、インターネット動画広告の市場は今まさに伸び盛りなのです。
5Gやスマホ・タブレットの普及に伴い、誰でも簡単に動画を見られる環境はますます整っていくため、動画広告の市場は当面拡大していくことでしょう。
ホテル業界においても、動画をプロモーションや販促の手段として制作することで、今後ますます増加する動画ユーザーへのホテルの認知・集客を拡大することができます。
ホテル独自の魅力を伝えられる
OTAのネット広告や、リアルエージェントのパンフレット等は、どうしてもデザインやコンテンツがどのホテルも似たり寄ったりになってしまい、ホテル独自の魅力がユーザーに伝えられず、集客が価格勝負になってしまいがちです。
その点、動画広告は表現の自由度が高いため、ホテル独自の魅力をユーザーに伝えることができます。
例を挙げると、星野リゾートが運営する「星のや竹富島」のコンセプトムービーは、「星のや竹富島」独自の魅力や世界観を動画で上手く表現しています。
沖縄のホテル動画と言えば、マリンスポーツや青い海などの、夏の楽しみがコンテンツとなる場合が多いですが、この動画では「島テロワール」という冬限定の料理をコンセプトにしています。
冬が旬の素材を使ったディナーが、三線等の沖縄の文化と共に楽しめることを、動画の視聴者に訴求しています。
一般的に冬の沖縄はローシーズンであり、観光客も他の季節に比べて少ないですが、冬限定の美味しそうな料理を動画で目にすれば、行ってみたい気持ちになる人も多いでしょう。
静止画やテキストだけでは、他のホテルの料理との差異が見えづらく埋もれてしまいますが、動画にすることでホテル独自の魅力を際立てています。
一度制作すれば半永久的に集客ツールとして利用できる
動画は一度制作してしまえば、ホテルのコンセプトや訴求ポイントが大きく変わらない限り、半永久的に集客ツールとして使用できます。
OTAのリスティングや雑誌広告は、利用した効果は広告が終われば無くなってしまいますが、動画は制作すればYoutube、自社ホームページ等で期限無く使用し、集客を長期的に続けることができます。
動画は、作って終わりのフロー型の集客ツールではなく、蓄積して利用できるストック型の集客ツールなのです。
ホテル動画の製作方法
ホテル動画の製作にあたっては、いくつかの手順があります。
広告代理店に全て丸投げでは効果的な動画は作れないので、以下のステップで作成しましょう。
目標を決める
まず最初に、動画制作にあたっての目標を設定しましょう。
最初から精度の高い目標を設定するのは難しいですが、「動画を制作してYoutubeにアップし公式ホームページへの導線を作ることで、公式ホームページのアクセス数を+○○%増加させる」「インターネット経由の個人ゲスト予約を月間+△△件増加させる」といった、定量的な目標を作るのが望ましいです。
ありがちなケースとしては、社長や経営陣が「これからは動画の時代だからおしゃれな動画でホテルをアピールしろ!」と鶴の一声を発し、担当者が目標や動画を作る意味を理解しないままに制作を進め、結果的に成功したか否かも分からないまま、時間とお金が無駄になってしまった・・・というケースです。
定量的な目標を設定することで、動画を作った後に施策が成功したのか、より改善すべきなのか、といった振り返りがやりやすくなります。
また、定量的な目標であれば、ホテルの複数のメンバーの間でも共有することができます。
定量的な目標は必ず決めましょう。
ターゲットを決める
目標を決めた後は、動画を見てもらうターゲットを決めましょう。
日本人 or インバウンド、ファミリー or ビジネスマン、シニア・ミドル層 or 若者等、食事重視のゲスト or 部屋や施設の豪華さ重視のゲスト・・・等、切り口は色々あると思いますが、自社ホテルの強みを最も気に入ってもらえるターゲット像を、過去の実際の宿泊者のデータを参照しながら考えます。
例えばリゾートホテルの場合、過去の予約データよりターゲット像が「乳幼児連れの3人家族」であれば、「日々の家事や仕事の忙しさから解放され、広い部屋で子供とゆっくりくつろげる空間」を表現した動画でアピールできます(あくまで一例です)。
また、シティホテルでカップルで来日するインバウンドのゲストをターゲットとした場合「カップルで楽しめる和装空間」や「日本ならではの天然温泉大浴場」を動画にすべきかもしれません。
ターゲット像を明確にすることで、作るべき動画の内容・コンテンツが定まってきます。
コンテンツを決める
目標やターゲットを決めたら、いよいよ動画に盛り込むコンテンツを考えていきます。
コンテンツを考える際は、想定したターゲットがネット上で検索するキーワードを調査することが大切です。
インターネットを使った個人予約が増える現代において、せっかく作ったコンテンツも検索で発見されなければ意味がありません。
Google キーワードプランナー等を使えば、「京都 温泉 家族風呂」「ディナー シティホテル 美味しい」等の検索ワードが、どの位検索されているかの目安が分かります。
キーワードの選定ができたら、想定するターゲットとキーワードを元に、どの様なコンテンツが作れるか考えましょう。
例えば、温泉地のホテルでファミリー層をターゲットとし、「ホテル 温泉 ファミリー」等のキーワード検索で表示されるコンテンツを考えるとします。
この場合のコンテンツは、家族で入れるお風呂をメインに紹介したうえで、ベビーベッドやお子様用の食事等の充実ぶりを紹介した内容にする等、ファミリーが安心して楽しめることを訴求した内容にします。
動画のコンテンツを考える段階においては、専門の動画制作会社に入ってもらうと、よりアイディアの幅が広がりやすいです。
【映像制作】業者を無料で見積比較できる一括.jp等の一括見積もりサイトを利用すると、映像・動画制作の会社から少ない手間で相談・見積もりを取ることが可能です。
手間ひまかけずに優良な制作会社が見つかりますので、是非とも利用しましょう。
ホテル動画事例集
さてここからは、ホテルの種類別にホテル紹介・PR動画の事例をまとめています。
あなたのホテルと似たホテル動画は参考にしましょう。
リゾートホテル動画の事例
ホテルモントレ沖縄
ホテルモントレの特徴であるヨーロピアンスタイルの建物や室内のラグジュアリー感をメインコンテンツとして紹介したうえで、青い海、白い砂浜、プールサイドで楽しむドリンク等、沖縄の王道な魅力を伝えたコンテンツとなっています。
ホテルアルティア鳥羽
女性の二人旅をテーマに、大浴場やホテルからの景色、広く開放感のある客室の魅力を訴求した動画です。
女性にターゲットを明確に絞っており、女性に嬉しいコンテンツとなっているのが特徴です。
シティホテル動画の事例
パークフロントホテル
こちらは一風変わった、シェフがオムレツを作る様子だけが撮影されている動画です。
美味しそうなオムレツを作るシェフの腕前と、ただオムレツをひたすら作っているシュールさのギャップが評判を呼び、再生回数は70万回、コメント数は500を超えています。
この動画だけでホテルに泊まりたくなる人は少ないかもしれませんが、見込み客にホテルに興味を持っていただくことで、ホテルの認知を拡げることはできたでしょう。
ビジネスホテル動画の事例
スーパーホテルLohas地下鉄四ツ橋線・本町24号口店
ビジネスホテルは、シティホテルやリゾートホテルに比べると、プロモーション動画は少ないのですが、スーパーホテルは会社紹介も含め積極的に動画を活用しています。
交通アクセスや駅からの近さ等、ビジネスマンがホテル選びに重視するポイントを詳しく紹介しているのが特徴です。
旅館動画の事例
黒薙温泉旅館
ドローンや空撮をうまく使い、紅葉や葉の緑、川の水色のコントラストによる景色の美しさを表現しています。
今回は、ホテルの動画制作について解説しました。
また、動画以外のマーケティングについて知りたい方は、「ホテルのマーケティング戦略に欠かせない「コンテンツマーケティング」とは?国内・海外の事例と併せて解説します」も併せてご覧ください。
宿サポートでは、ホテルの動画制作のサポートもしています。ご相談は以下のボタンからどうぞ。