日本の観光業界はインバウンド需要の高まりとともに活況を呈していますが、少子高齢化による国内労働人口の減少は、特に中小規模のホテルや旅館、地方の宿泊施設にとって深刻な人手不足を引き起こしています。
宿泊業界を取り巻く人手不足の問題に対し、外国人スタッフの雇用は有効な解決策のひとつです。
本記事では外国人スタッフ雇用のメリットと注意点を紹介します。
目次
外国人スタッフ雇用のメリット
外国人スタッフの雇用は単なる労働力補填に留まらず、インバウンドを含む多様な顧客ニーズへの対応力強化、新たな集客ルートの確保等、ホテル・旅館の成長を加速させる戦略的な一手となり得ます。
インバウンド対応力アップ
日本で働く外国人スタッフは、英語を第二言語・第三言語として習得しているスタッフも数多く、多様な国籍のゲストへの接客が可能です。
日本の宿泊業界で働く外国人は、中国・韓国・台湾・ネパール等の英語教育が盛んな国の出身者が中心で、一般的な日本人よりも英会話能力に優れているケースが多いです。
多言語でのコミュニケーションが可能になり、近年増加するインバウンドの顧客満足度を大幅に向上させます。
また、日本人スタッフの異文化理解が深まることで、施設全体のホスピタリティレベルが向上し、海外ゲストからの評判の獲得にも繋がります。
継続的なマンパワーの確保
国内の人材確保が困難になる中、外国人スタッフは安定したマンパワーの供給源となります。
日本で働く外国人材は年々増加しており、2023年には200万人を突破しました。
国内の労働年齢人口が減る日本と、より良い仕事を求める海外の労働者のニーズはマッチしており、今後も外国人労働者は増加するでしょう。

現場仕事をこなせる若年層のマンパワーを継続的に確保する手段として、外国人スタッフの雇用は有効な選択肢です。
スタッフを継続的に採用できる体制を作ることで、既存スタッフの過重労働を軽減し、離職率の低下にも貢献します。
インバウンドの新たな集客経路の開拓
出身国の言語や文化に精通する外国人スタッフは、インバウンドの新たな集客経路を開拓するきっかけとなります。
例えば、韓国人スタッフを数多く採用している九州のビジネスホテルでは、韓国人スタッフがホテルのインスタグラムの運用担当として数多くの韓国人フォロワーを集め、ホテルの予約をインスタグラム経由で増やしています。
また、中国人スタッフの中国現地の知人がホテルを訪れ、ホテル滞在に満足したその知人が別の友人にホテルを紹介しする、といった具合に紹介が立て続けに起こるケースもあります。
このように、外国人スタッフを雇用することで集客経路開拓のきっかけが生まれることもあるのです。
外国人スタッフ雇用における注意点
メリットが多い外国人スタッフの雇用ですが、雇用に際して日本人とは異なる注意点がいくつかあります。
業務内容に合う適切な在留資格を持ったスタッフを雇用する
ホテル・旅館業界で外国人スタッフを雇用するための主な在留資格には「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「特定活動(ワーキングホリデー等)」などがあります。
それぞれの在留資格には、学歴や実務経験、日本語能力などの要件が定められています。
例えば、技術・人文知識・国際業務の在留資格で従事できる仕事(活動)は、「工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動」となります。
宿泊業界においては、原則的には通訳業務やマーケティング業務、外国人向けの接客業務など、いわゆるホワイトカラー寄りの仕事に従事することになります。
技術・人文知識・国際業務の在留資格を有するスタッフが、反復継続的な清掃業務等に長時間従事することは、法令違反となる可能性があります。
業務内容や求めるスキルに合わせて、最適な在留資格を持つ、もしくは持つ予定のスタッフを雇用しましょう。
雇用予定の外国人スタッフの適切な在留資格が分からない、スタッフの在留資格を変更する必要があるが手続きが分からない、といった場合は宿サポートにご相談ください。
日本人と同等の待遇を用意する
雇用契約は日本人スタッフと同様に、労働時間、賃金、休日、社会保険加入など、労働条件を明確に記載し、双方合意のもと締結する必要があります。
外国人は日本人より安く雇用できる、と誤った認識を持っている経営者がいますが、日本人と同等の業務や役職に就いている外国人の待遇を日本人よりも低くすることは、法令違反となります。
文化の違いを理解し日本人スタッフとすり合わせる
外国人スタッフの出身国の文化や習慣の違いから、仕事に対する価値観や生活習慣に戸惑うことがあります。
例えば、休憩中や就業時間外には仕事に関する連絡に全く対応しない、清掃における清潔度の基準が日本人に比べて低い、等のケースがあります。
解決策としては、採用前に日本の職場文化について説明会を実施し、入社後も定期的な面談を通じて意見交換を行うことが重要です。
外国人スタッフに日本の職場文化を理解してもらい、日本人スタッフとの相互理解を深めるための異文化研修も有効でしょう。
社内業務のマニュアル化・標準化を徹底する
外国人スタッフの日本語能力が不足している場合、業務指示の理解や、お客様・同僚との円滑なコミュニケーションが困難になることがあります。
対策として、多言語かつ具体的な業務マニュアルを整備する、簡単な日本語での指示を徹底する、これまで口頭で行っていたコミュニケーションをチャットツール等でテキスト化する等、業務をマニュアル化・標準化することが重要です。
イラストや写真を用いた視覚的なマニュアルの作成も非常に効果的で、外国人スタッフだけではなく、新しく入社した日本人スタッフが業務を早期にキャッチアップする助けにもなります。
宿サポートはホテル・旅館に最適なスタッフをご紹介します
外国人スタッフの雇用は、適切なプロセスとサポートを実施することで、ホテルや旅館に多大なメリットをもたらします
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