ホテル広告で集客数アップ~Googleホテル広告やOTA広告についてご紹介

集客数を増やすにあたり、多くのホテルで広告を活用しています。

今回の記事では、広告を実施するうえで大切な考え方や、Googleホテル広告・その他OTAの広告をご紹介します。

ホテルにとって広告が必要な理由

そもそも、なぜホテルにとって広告は必要なのでしょうか?

広告は大なり小なりコストがかかるため、広告を打つのは最小限にとどめたい、と多くのホテル経営者や支配人は思っていることでしょう。

そんな広告がホテルにとって必要な理由は、ホテル業界における新規顧客(リピーターではないゲスト)割合の高さです。

2007年のやや古いデータではありますが、公益財団法人「日本交通公社」の調査によると、宿泊施設のリピーター比率は「10%以上30%未満」が最も多くなっています。

裏を返せば、新規顧客の割合が70%~90%を占める施設が非常に多い、ということです。

世界的なトップブランドホテルはさておき、多くのホテルはその存在をゲストに認知されなければ、新規顧客の集客は望めません。

そして、ホテルを訪れたことのないゲスト(=新規顧客)にホテルを認知してもらうためには、広告が必要なのです。

広告宣伝費の考え方

広告宣伝費は、「売上÷投資広告宣伝費 が何倍になれば成功と言えるのか?」の基準を明確にしたうえで、各広告媒体に投下することが大切です。

ホテルの予算事情や集客の緊急度によって、投資の成否の基準は変わってきますが、広告宣伝費の投資の成否は、定量的に判断できる様にしましょう。

じゃらんの雑誌広告を「毎年やっているから」という理由で出稿したり、楽天トラベルのリスティングを効果検証を無しに打ち続ける等、惰性で広告費用を使っているホテルは結構あります。

「投資した広告宣伝費の10倍を上回る売上が作れれば成功、10倍を下回る売上であれば見直し」等の基準を設けモニタリングしていきましょう。

尚、オフライン媒体(雑誌広告等)は費用対効果が計りづらいうえ、予約のネット化に伴い効果も年々落ちているため、予算が潤沢にある大規模施設以外は切ってしまうのも手です。

Google ホテル広告

さてここからは、個人経営の旅館からグローバルチェーンホテルまで活用できる、Google ホテル広告について説明します。

興味がある、現在使っているけどよく分からない・・・という方はおさらいも兼ねて是非ご覧ください。

Googleホテル広告とは

Googleホテル広告とは、Googleの検索結果上で、ホテルの空室情報や料金等をユーザーに知らせることができる広告です。

通常の検索画面と、Googleマップの2つの検索結果上に広告が表示されます。

通常の検索画面

以下の画像は、通常の検索画面におけるGoogleホテル広告の画面のキャプチャーで、右下の黄色い線で囲まれた部分が広告です。

Googleホテル広告
画像引用:Google

この広告スペースには、ホテルの公式ホームページ、楽天トラベル等のOTAにて販売されている料金の一覧が表示されます。

いずれかの料金をクリックすると、各サイトの予約ページに繋がり、ホテルを予約することができます。

Googleマップ

Googleマップでは、ホテルの料金の他にも、口コミ評価やホテルの場所も掲載可能です。

以下画像の黄色い線で囲まれた部分が、Googleマップ上のホテル広告です。

Googleマップ ホテル広告
画像引用:Google

上記は「東京 ホテル」で検索した場合の画面ですが、ユーザーはGoogleマップ上で「ホテル」と検索するだけでも、自分の現在地から近いホテルを一覧で表示させることが可能です。

Googleホテル広告のメリット

Googleホテル広告の概要について説明しましたが、ここからはGoogleホテル広告の主なメリットを紹介します。

全世界のゲストにホテルの情報を届けられる

Googleは、世界中で使われている、グローバルでナンバーワンの検索プラットフォームです。

Googleに広告を掲載することで、全世界のゲストにホテルの情報を届け、予約を促すことが可能になります。

中長期的に増加するであろうインバウンドの集客も、Googleホテル広告で効果的に行うことができます。

海外ゲストの集客を強化したいホテルは、是非とも活用しましょう。

公式ホームページの予約を増やすことができる

Googleホテル広告には、公式ホームページに導線を付けることが可能です。

ゲストに自社の会員登録を促したい、OTAに対する依存度を下げたい、等の理由で公式ホームページ経由の予約を増やしたいホテルは、Googleホテル広告を活用すべきです。

契約中のOTAよりも割安な価格を公式ホームページに用意したうえで、Googleホテル広告で公式ホームページのリンクを設定することで、公式サイトの予約割合を増やすことができます。

成果報酬型であるため、費用対効果のバランスがとりやすい

Googleホテル広告は、無料掲載枠と有料掲載枠が存在しますが、有料広告はクリック課金、予約課金等の成果報酬型の広告です。

出稿した広告にクリックがされた時点で課金される「個別クリック単価」宿泊予約を完了した際に課金される「宿泊課金型」等の、様々な成果報酬パターンから選択可能です。

固定費払いのバナー広告や雑誌広告とは異なり、「広告宣伝費を投資したけど全く反応が無くて無駄なコストになってしまった。。。」という事はほぼありません。

費用と効果が見合いやすい、リスクの低い広告と言えるでしょう。

Googleホテル広告の費用

ここからは、Googleホテル広告の利用にかかる費用について解説します。

Googleホテル広告には、有料の広告枠と無料の予約リンクが存在しますので、順を追って説明します。

有料・無料の違い

以下の画像の黄色い線で囲まれた部分が、「ザ・リッツカールトン東京」で通常検索を行った際に表示される、Googleホテル広告の有料広告枠です。

ザ・リッツカールトン東京の公式ホームページ、楽天トラベル、Trip.com、Booking.comの4つのサイトに掲載されている価格が一覧で表示されています。

これは、4つのサイトがGoogleホテル広告の有料広告枠を購入しているためです。

Googleホテル広告
画像引用:Google

それでは、無料予約リンクを見てみましょう。無料予約リンクを見た方が、有料と無料の違いが分かりやすいと思います。

まず、有料広告が掲載されているページより下部の「その他の宿泊料金を見る」をクリックします。

Googleホテル広告
画像引用:Google

「その他の宿泊料金を見る」をクリックすると別画面に遷移し、以下の画像の黄色い枠で囲まれた部分「すべてのオプション」に有料広告枠には掲載されていないサイトの料金が表示されます。

これが無料予約リンクです。

Googleホテル広告
画像引用:Google

有料広告枠は通常検索時に表示されるのに対し、無料予約リンクは検索後に「その他の宿泊料金を見る」をクリックしないと表示されません。

検索した際にすぐに目に入る有料広告枠の方が、クリック数が多くなります。

また、「その他の宿泊料金を見る」をクリックした後に表示される各サイトの料金一覧も、有料広告枠の方がより上位に表示されます。

費用・料金のパターン

Googleホテル広告は成果報酬型の広告ですが、いくつかの費用・料金パターンが存在します。

ここでは、各料金パターンを簡単に説明します。

個別クリック単価
→広告が1回クリックされたら100円課金、等とクリックの単価を固定して課金されるパターンです。1泊5,000円でも、1泊10,000円でもクリック単価は固定料金です。

割合クリック単価
→クリック単価を1泊料金の1%、等と宿泊料金に対する割合で設定するパターンです。単価1%の場合、10,000円の宿泊には100円、20,000円の宿泊には200円の課金となります。

拡張クリック単価
→上記のクリック単価制と併用で、コンバージョンに至る可能性が高いクリックに自動的に入札単価調整を適用できます。

コミッション(コンバージョン課金)
→ユーザーがホテルを予約した時のみに課金されるパターンです。

コミッション(宿泊課金型)
→ユーザーがホテルを予約し、実際に宿泊した時のみに課金されるパターンです。キャンセルの際は課金がされません。

Googleホテル広告の出稿手順

さて、ここからはGoogleホテル広告の具体的な出稿手順についてお伝えします。

事前準備

Googleホテル広告の利用に際しては、以下の3つを準備する必要があります。

  • Google広告」を利用できるアカウント
  • 広告料金支払い用のクレジットカード
  • 「Google Hotel Center」のアカウント

上記の3つを準備しましょう。「Google Hotel Center」の設定方法は以下の通りです。

Google マイビジネスより、ホテルの情報を登録します。
Google マイビジネスでは、営業時間や公式サイトのアドレス等、基本的な情報を入力します。

Googleマイビジネスに登録した情報が、Googleマップにも反映されるため、間違いやユーザーに誤解を与える内容を入力しないよう気を付けましょう。

その後、Hotel ads & free booking links interest formにて、会社や公式サイトの情報を登録します。

参考情報:Google Hotel Center ヘルプ

宿泊施設情報の入力&Google広告との連携

Google Hotel Centerのアカウント作成が完了したら、宿泊施設情報の登録とGoogle広告との連携を行いましょう。

宿泊施設情報は、Googleマイビジネスに登録した内容と、同内容を入力します。

登録する施設が複数ある場合でも、CSVファイル等でまとめてアップロード・登録することが可能です。

さらに情報更新の設定やランディングページの設定をした後、Google広告と連携をすればOKです。

参考情報:Google Hotel Center ヘルプ

Googleホテル広告キャンペーンの作成

最後に、ホテル広告キャンペーンの作成について簡単に説明します。

  1. Google 広告アカウントにログイン
  2. 画面左側の「キャンペーン」をクリック
  3. 「目標タイプ」より「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」をクリック
  4. 「キャンペーンタイプ」のホテルを選択
  5. リンクされているGoogle Hotel Center アカウントを選択
  6. キャンペーン名や入札単価等、広告の設定を選択
  7. 保存

以上でキャンペーンの作成は完了します。

参考情報:Google 広告ヘルプ

OTA広告について

ここからは、じゃらん、楽天トラベル、その他海外OTAの主な広告商品についてご紹介します。

じゃらん

以下はじゃらんネットの主な広告商品です。
他にも広告商品はありますが、ここでは主に利用される商品について概要を説明します。

じゃらんクーポン
ホテルが費用を負担することで、ゲストに割引クーポンを付与できます。
価格を直接下げるのではなく、クーポンとして割引を行うことで、ゲストにお得感を抱いてもらい、予約につなげます。

ADRを下げたくない、宿のブランドイメージを毀損したくないためあからさまな値引きは避けたい、という場合に有効です。

リスティング
一定期間、検索順位を保証することでPV数を増やす商品です。
特定の時期にピンポイントで予約を増やしたいときに有効です。

楽天トラベル

以下は、楽天トラベルの主な広告商品です。
クーポン等、じゃらんと同様の商品も存在しますが、楽天グループの連携を活かしたセール等に強みがあります。

楽天スーパーSALE
楽天グループ最大級のセール企画。
全サービス共通のポイントキャンペーンや、クーポン企画も充実している。

楽天SEM
ホテル関連のワードを検索した楽天ユーザーに対して広告を配信し、楽天SEMに参画した施設へ誘導する広告。
楽天ユーザーデータを活用し、外部配信広告によりユーザーを取り込むため、楽天経済圏外からの集客も期待できる。

リスティング
楽天トラベル上の検索で、エリアや利用人数等の条件が合致していると、上位表示される広告。

以上、ホテルの広告について記述致しました。ホテルの広告・集客相談は以下のボタンからお問い合わせ下さい。

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