どのOTAを使えばレベニューが上がるのか?

どのOTAを使えば良いか、重きを置けば良いか、についてレベニューマネジメントに携わる皆様は日々悩まれていることと思います。

特定のOTAに販売先を絞って販売されているホテルもあれば、なるべく数多くのOTAで全方位的に販売されているホテルもあるかと思います。

OTAを担当する人員に余裕のあるホテルでは、なるべく数多くのOTAで販売することで、販売機会を最大化できます。

しかし、最小限の人員で運営されているホテルにおいては、可能な限り利用するOTAの数を絞った上で、運営の効率化と販路拡大を両立させたいですね。

そこで、今回は国内のゲストを最も効率よく集客するために利用すべきOTAはどこか、についてデータを用いてご紹介します。

結論としては、じゃらん、楽天トラベル、一休を利用すべきです。特に、Go to の影響で四つ星以上のシティホテルや、高級旅館については一休を積極活用しましょう。

国内OTA予測販売数ランキング

そもそも国内各OTAの販売数は、どの程度の差があるのでしょうか? 販売数を公表していないOTAが多いため、完全に正確な比較は不可能ですが、サイトへの訪問者数からおおよそのシェアを予測することが可能です。

今回は、Similarwebというサイト解析ツールを使って検証します。このツールを使うと、サイトへの訪問者数や1訪問あたりの滞在時間等を確認できます。2020年7月〜2020年12月の、主な6つの国内OTAの合計訪問数、平均滞在時間は以下の通りでした。

 サイト合計訪問数平均滞在時間
じゃらん4323万4分55秒
楽天トラベル2972万6分40秒
一休1355万5分55秒
Yahoo!トラベル773万3分45秒
るるぶトラベル219万5分7秒
Relux159万1分42秒
2020年7月 – 2020年12月 Similarweb データより抜粋

これを見ると、じゃらん、楽天トラベル、一休が国内OTAの訪問者数の大半を占めています。

6つのOTAの訪問者数の合計に占める割合はそれぞれ、じゃらん44%、楽天トラベル30%、一休14%、Yahoo!トラベル8%、るるぶトラベル2%、Relux2%となっています。

じゃらん、楽天トラベル、一休を合わせると、およそ90%を占めます。

訪問者数と販売数はイコールとはなりませんが、訪問者の転換率がサイトによって大きく異なるとは考えづらいので、各サイトの訪問者数の差が販売数の差を表しているでしょう。

じゃらん、楽天トラベル、一休で販売していれば、少なくとも国内のOTAに関しては、ネット予約の需要をほぼカバーできると考えて良いでしょう。

国内OTA主要3社のGoogle検索トレンド

さらに、じゃらん、楽天トラベル、一休の検索トレンド(Google上でどの程度検索されているかの推移)を見てみると、一休の人気が上がっていることが分かります。

以下の図は、2020年1月12日〜2021年1月11日の、各国内OTAの検索トレンドです。

trend
Google トレンド 2020年1月12日〜2021年1月11日 データより抜粋

2020年の後半に向かうにしたがって、黄色の線で示されている一休が、じゃらん、楽天トラベルに迫っていることが分かります。

Go toトラベルキャンペーンにより、高級ホテル、高級旅館の需要が高まり、高級宿に強い一休が検索される回数が増えているのでしょう。

また、以下の図は上記のグラフと同期間にて、強いOTAを県別に色付けした地図です。

東北は赤=楽天トラベルが強い県が多いですが、楽天イーグルスが宮城を本拠地にしているため、東北県民の支持が強いことが想定されます。

Japan-map
Google トレンド 2020年1月12日〜2021年1月11日 データより抜粋

日本は青=じゃらんが圧倒的に強いですが、東京はなんと一休が強いのです。

東京は、他県に比べ4つ星以上のラグジュアリーホテルが圧倒的に多いため、一休に軍配が上がっているものと想定されます。

ちなみに地図上の色は青ですが、京都も一休とじゃらんの検索トレンドがほぼ同率です。

京都も高級ホテル、高級旅館が多いので、一休が強いのでしょう。

いかがだったでしょうか。じゃらん、楽天トラベル、一休を使うことで、国内OTAに対する需要がほぼ満たせること、一休が特に高級ホテル、高級旅館に対する強さを増している事がご理解いただけたと思います。

海外におけるOTAの国別の強さを知りたい方は、インバウンド集客に有効な海外OTAはどれか?をご覧下さい。

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